恋人は公安刑事恋の行方編
加賀 兵吾警視の感想を書きたいと思います。
※加賀兵吾さん本編のネタバレをしています。まだ読んでいない方、これから読む方はご注意下さい。
※以前Amebaで書いていた記事をこちらに移動編集しました。津軽さん登場前あたりに書きました。
出会い編振り返りと感想

出会い編では駄犬、駒、クズ、奴隷と言われ続けて慣れてきてしまった主人公ですが、口の悪さの中にある彼の深い優しさに気付いてどんどん深みに嵌まるように加賀さんの良さに気付いていきます。
主人公的には好きになってしまう前に抜け出したい、教官と生徒は駄目だと理性的に考えているのでギリギリ落とし穴の手前で迂回しようと思っていそうですが、読んでいるこちら側からすればすでに深く落ちており抜け出せなくて足掻いている状態にしか見えません。
加賀さんの見た目ですが少し三白眼気味なんですね。
そこがまた何とも言えないカッコよさを醸し出しています。
三白眼って得体の知れぬ不思議な魅力がありますよね……
公安は二人の方がキャラクター原案をしているそうですが後藤さん、石神さん、黒澤さんのSP組とその他という括りだと思います。
少し絵の癖が違いますね。前にも書いたかな、私はSPや今夜の絵が大好きなんです。
顔の好みで言えば今夜は清人くん、公安だと黒澤さんがドンピシャです。
恋の行方感想

海上保安庁と合同で武装したシージャック役を制圧するための訓練をしていましたが、主人公はすぐに捕まってしまいました。
歩さんが兵吾さんは単独行動が多いと面白がって言いましたが

欺くには、まず味方から。
これは加賀さんのポリシーなのか結構味方を欺くのが好きみたいです。
この言葉が終盤になってまた思い出される事件が起こります。この序盤と上手くリンクしているんですね。
加賀さんのこの一貫した態度は芯が通っていてとてもカッコいいです。
確かに言葉足らずな部分が多分にありますが心の内は実直で真摯です。
鬼畜と言われる態度に惑わされがちですがその実後藤さんにも匹敵する程誠実で優しい性格なのは読み進めていくとわかってきました。

訓練をしながら以前見た記事のことを思い出す主人公。
当時チームだった加賀さん以外のメンバーが全員殉職していることを思い出し疑問に思います。
ここで仲間殺しと言われていることと繋がってきますね。
仲間殺しのレッテルを貼られた加賀さんですが難波室のみんなは加賀さんの人となりをわかってくれていますね。
加賀さんとバディを組んで実践的なものを取り組みつつ捜査に出かけることになります。
出かけた後の書類整理は主人公の仕事です笑
書類を書き終わり教官室を出ようとしましたが足止めされてしまいます。

「俺を愉しませてくれるんだろ?」
と、加賀さんは主人公の反応が楽しくてからかいに走ります。
そんなとき……


この二人の腹黒コンビが揃うとだいたい息の合ったからかいを見せてきます。
というか他の√ではその人と主人公の恋の行方を心底面白がっている感じです。
自分でなければいいや、みたいな完全に他人事だと思っているから息の合ったからかいが出来るんですね。
歩さんと颯馬さん√のときは逆に加賀さんたちがからかって差し上げればいいさ、と思いましたが
この二人以外には黒澤さんくらいしか面白がる人いなさそうです。
加賀さんは初めはニヤニヤしてもすぐに興味を無くしそうだし石神さん、後藤さんの常識人コンビは人の恋路を面白がったりしなさそうですもんね。
で、そんな歩さんにそそのかされて加賀さんの尾行をする主人公。
加賀さんが今夜彼女と会うと言われて気になってしまったようです。


あれ、この対応どこかで見たことある……
と思ったらミラプリのヴィンスだ!ちょっと二人似てますね。余裕のあるドSな対応。
加賀さんが好きな方はもしかしたら狂犬ヴィンスも好きかもしれません。
加賀さんの彼女、もとい莉子さん。

警察学校からの同期三人+忠犬の飲み会になりました。
この同期三人すごくいいんですよ。莉子さんが間に入ることで加賀さんと石神さんの会話がスムーズに進むので、緩和剤というかハンバーグのつなぎみたいな役割をしてくれます笑
主人公は歩さんに言われたことが気になり、加賀さんの彼女か確かめます。



あー好き、このトリオ。
こんな感じで警察学校時代から飲んだりしていたのでしょうね。
この莉子さんの対応、歩さんと絶対気が合うと思います。
つまり莉子さんと歩さんを同じ場所にいさせたら颯馬さん以上にやばそうなからかい方をされます、絶対。
混ぜるな危険のやつです笑
でも鋭い莉子さんには主人公の気持ちはお見通しです。
「好きなんだ? 兵ちゃんのこと」
と聞かれます。

莉子さんは加賀さんの過去を知っているため主人公のためを思って言ってくれていますね。
あとは、加賀さんがつらい目に遭っていることを知っているので加賀さんのためにも言ってくれたのかもしれません。
加賀さんは悩みを表に出さず一人で背負って生きる人なので初対面の主人公には扱いきれないかもと思った可能性もありますね。
何にせよ色々考えた上で言ってくれた言葉です。莉子さんごめん、からかうなんて言って。
歩さんがいなくて主人公と二人きりのときは真剣に聞いてくれる素敵なお姉さんでした。
このあとキャバクラで情報を得て梅田が出入りしていたという被害者の会の集会に行ったり車のブレーキが効かなくなり二人は川に車ごと飛び込んだりアクション映画さながらのぶっ飛んだ経験をします。
この後加賀さん単独捜査を始めます。
その間の臨時教官で莉子さんがきてくれるのですが加賀さんの過去を話してくれました。
仲間殺しの噂が独り歩きをして広まっていることに心を痛める主人公に莉子さんは口を開きます。


爆破事件で部下3人を亡くしていたんですね。
その事件があってから加賀さんはどんどん出世をしていったそうです。
ただここから急転直下めちゃくちゃ切なくなります。
加賀さんの心情が明かされることによって今まで抱えてきた葛藤や苦悩人の命の犠牲の上で生きていかなければならない覚悟を知っていきます。
加賀さんの弱音を見せずに一生懸命生きる姿は読んでいるこちらにはとても切なく映ります。
殉職した刑事の1人、浜口さんの奥さんに主人公が拉致され助けに来た加賀さんと対峙します。


加賀さんの深い優しさがこの辺りから炸裂します。
常にだれかを守って口を閉ざすような、背中で語るようなそんなイメージです。
浜口さんの奥さんを犯罪者にしたくないんですね。
この分かりづらい優しさが主人公にはわかってこのあたりから主人公大号泣です。
加賀さんが誤解されるのが嫌だ、私は信じてると一貫して加賀さんを信じます。
警察庁の内部情報をリークしたのが加賀さんという疑いがかかり拘束されたときも主人公はとにかくぶれずに加賀さんを信じ抜きます。


もうすでに結構早く加賀さんは主人公に陥落しているのですが笑
こう言って信じ切ってくれるのは加賀さんにとって救いだし嬉しかったと思います。
ただ態度には絶対出さないですけど笑
ここが多分一番の見どころだと思うのですが警視庁の松田理事官にいつ加賀さんに手錠のカギを渡したのか聞かれたときのことです。
石神さんと殴り合いをしたときのことですね。



いつもプリン大福戦争を周囲も巻き込んでしている彼らですが、ここぞというときの気の合い方や考え方は同じなんですね。
加賀さんを信じている人は沢山いるということを知らしめる良いエピソードだと思います。
そして浜口さんに報告もかねてお供え物を置く加賀さん。
浜口さんがリーク元だと知っていましたが明るみにすると奥さんやお子さんにも迷惑をかけるため、黙っていることに。
ここの加賀さんの思いはグッときます。


歩さんが
「兵吾さんは心の内を見せない」
と言っていましたが加賀さんは心の内を見せることが弱さだと思っている節があるんですよね……
弱みを見せると大切なものが守れないため、敢えてクールに冷静に装っているのかもしれませんね。
義理人情に厚く人一倍熱くて優しい人ですからね。


良かった、駒も奴隷も卒業です!
加賀さんの女に昇格しました!
おめでとう、主人公!
出会い編でドSという強烈な印象を残し恋の行方編で実は優しい人ですという、加賀さんのイメージのふり幅が大きすぎて驚きました。
そして読了したら加賀さんの思いに胸がいっぱいになり、その人情や優しさに絆されてしまいます。
公安は本編が結ばれるまで前後編に分かれていたので出会い編を読むだけでは全貌が見えてこないのが少しもったいないですよね。
歩さんもそうですがお試しで無料で恋の行方編まで読めたら新規の方も入りやすいのにと思います。
歩さん加賀さんの二人は恋の行方編で印象がひっくり返るので恋の行方編まで読んでみるのも楽しいかなと思います。
加賀さん恋の行方編読み返してやっぱりウルウルしました笑


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