【小説】黄色い部屋の謎【感想】

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ガストン・ルルー先生の黄色い部屋の謎、の感想を書きたいと思います。

※ネタバレしています。これから読む方、まだ読んでいない方は気を付けてください。

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感想

犯人の名前は書かないように進められたら、と思っています。

本格密室ミステリの最高峰と

名高い黄色い部屋の謎ですが

オペラ座の怪人も書いた

ガストン・ルルー先生らしく

ドラマチックな展開で書かれています。

フーダニット(誰が犯人か)

ハウダニット(動機)

がどちらも楽しめる贅沢な

作品となっていると思います。

犯人が意外な人物でしたが

まだ推理小説を書くための

暗黙の了解と言われている

ノックスの十戒や

ヴァン・ダインの二十則が

書かれる以前の作品なので

その規則を破っていてなお

面白い作品も沢山ありますので

この黄色い部屋の謎は

先入観なく入った方が楽しめると

思います。

アガサ・クリスティ先生の

アクロイド殺しの

フェア・アンフェア議論も

そうですが色々考えたら

悩みのループに陥る気がするので

とにかく先入観を

取っ払ってから読む方が

良いのかなと感じました。

トリックは犯人が密室から

いかに抜け出したか

を考えるのが1つですが

読んでいる途中

「黄色くなければ駄目なのか」

「緑や赤の部屋では駄目なのか」

とまず私は思ってしまいました。

マチルドが倒れていたとき、

黄色い部屋でなければならない

理由があるから

舞台をミステリアスな古城にして

わざと黄色にしたのかと不思議というか

引っかかるところでした。

例えば犯人が血痕に気付かないで

密室から出たのだとしたら

理由として考えられるのは

これが緑の部屋で、赤い血痕に

気付かなかった赤緑色盲

の人が犯人だろう、だとしたら

赤緑色盲はほぼ男性しかいないから

犯人は男性だと絞ることもできたかも

だったらスタンガースン博士が

あやしかったんだけどな、みたいに

斜め上に読んでしまっていました。

そうしなかった、だから黄色い部屋で

なければならない理由があるんだ、と

色々考えていました。

純粋に読めば良かったのですが

推理小説ということで

「なぜ黄色なのか」

という理由を探してしまったところは

私しつこかったと思います笑

それから不可解だったのは

マチルドがしきりに犯人を

かばうような素振りを見せ

全然捜査が進まなかったこと。

犯人をかばっているとしたら

やはりスタンガースン博士が犯人

だろう、というかそれくらいしか

目ぼしい人がいないと思ったのですが

失われた環、ミッシング・リンクが

あることは気づかずに読み進めて

いました。

しかもそれが犯人とマチルド嬢だけでなく

探偵役のルールタビーユ君にまで

及んでいたとは気付きません。

伏線としては例の「黒衣婦人の香り」

の懐かしい香りとなるのでしょうが

読んでいるこちらにはわからない

ことですものね。

あまりにもかばうので自作自演も

考えました。

ルールタビーユ君が18歳で

あれだけ弁も立ちフレデリック・ラルサンと

やりあっていたのは結末を読んでから

思えば感慨深いものがありました。

高校生当時読んだ際はルールタビーユ君が

とんでもなく格好良く見えたのですが

大人になってから読み返したら

大人を尊重しないように見える生意気な子供

みたいな感想になっていて

時の流れの残酷さに愕然としました笑

法廷でも淀みなく話す度胸、

犯人を逃がす独善的な判断は

賛否両論なのかなと思います。

(名探偵コナンは、これとモーリス・ルブラン先生の奇巌城から主人公の着想をもらったかな…とか思いました)

罪を償わせることよりも

マチルドの気持ちを考えて

配慮したことだったとは思いますが

普通に犯罪ですよね。

ミッシング・リンクのことですが

マチルドとバルメイユの子供が

ルールタビーユ君ということで

この事実をアメリカで知ったときの

ルールタビーユ君はどんな心境

だったのか興味があります。

18歳でフランスからアメリカに

行って昔のことを調べたのは

新聞記者としての好奇心よりも

マチルドと自分の関係に半ば

何かを感じ取っていたからかも

しれませんね。

オペラ座の怪人もそうですが

ガストン・ルルー先生は女性を

儚く書くのが好きだったのかも

しれません。

そして自分の感情に正直。

クリスティーヌは恋人ラウルを

放ってエリックの元へと歩み寄り

二人の男性を翻弄する魔性が

ありましたし

フランス人の喜怒哀楽は日本人

よりもはっきりしているのかなと

感じました。

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